東京湾景
民族、愛、家族、友情、わだかまり、いろんなテーマを論点にうまくできたドラマだと思う。
韓流のノリからできたものらしいから、韓国と日本という近くてなぜか遠さを思わせる。
深く理解できるほど韓国のひとたちと付き合ったことはないし、ましてや在日韓国人の人たちと交流もないから、ドラマにみる人たちの考えを、韓国ドラマでみた印象や感想ぐらいからしか想像できない。
在日の韓国人二世、三世の棲む世界を想像する時、海外に生まれ育った日本人二世、三世のことをどう思い、どのくらい知っているかで随分違うとも思う。
Wikipediaで、東京湾景の視聴率の推移をみると、山場を迎えるエピソードどころか、いつも高視聴率をたたきだす仲間由紀恵が出演しているにもかかわらず、局の予想に反した視聴率は、ストーリー性の出来のよさとは違った反応がこのドラマをどう観ればよいのかが分からないものだったのではなかろうかと考えさせられる。
日本人どうしの話ではないという設定ながらも、ボクには日本的なドラマが韓国の音楽のBGM、設定というもので中途半端になってしまっている気もする。
在日韓国人の人たちが、あそこまで日本人を敵対意識した状況にする必要は、実態に即したものかどうかは知らないが、too muchだと思わざるを得ない。
民族の誇りをうまく表現した映画なら、マイ・ビッグ・ファット・ウェディングのようにもっとアットホームな雰囲気のほうがいい。もっとも、いろいろな祖国をもつというバックグランドをもった人たちのすみ集う世界だから、受け入れられやすいという土壌もあるだろうけど。
日本に生活の拠をおきながら、かたくなに日本を拒絶するのは「誇り」というよりも、偏屈な民族性にしか見えなくもない。ドラマの最初のほうで、両親、祖父母の祖国からも100%は受け入れられず、また第二のふるさとである日本でもあるがままでは受け入れられない、実に中途半端な立場でもある。
残念ながら、そうした中途半端になりがちである気持ちを、ほとんどが単一民族どうしでの世界にしか存在しない土地では、理屈としての理解はあっても、感情としての疑似体験は普通無理だとも思う。
だから、ドラマを観ても、単純にあーだこーなんだと早とちりした印象をもたないでおくほうが賢明。誤解することなく、ストーリー(夏ソナタとも言える、展開な部分)とゴージャスなキャストの名演を楽しむようにすると、観る価値が高まるだろう。
仲間由紀恵の相手役、和田聡宏が独特のフェースと演技でいつもみるラブストーリーをちょっと違ったものにみせてくれる。
異国というよりも、異文化を背負った二世、三世のことを多く、広く知ることで、異文化に違和感をもたない、そして偏見などはもたない心に国境のない日本にいつかなってもらいたいと、ふと親心。
DVD-BOX : 東京湾景