デジタルな日々の、マニュアルなこと
やっと、『手紙のたのしみ』(池田弥三郎)を読み終えた。
小またの切れ上がった女、というあたりからこの本おもしれぇって思い出すまでは、こりゃ読み終えるのに1年くらいかかるかも知れないなぁと300ページ足らずの文春文庫、すでに色褪せてしまっているページの裏表をほこりかぶらないように手帳の下においたり、電卓を重石にしたりしながらも、一応は手の届くあたりにおいてはいた。
小またのことが書かれていたあたりから以後は、教科書や授業で聞かされたことのある人物の手紙と、書かれた時代、状況、書いた人がどういった心境で書いたのかなどの解説まじりの引用が、(ボクにとっては)歴史上の教科書のネタっぽいイメージが強い、人たちの、読んでおかなきゃいけないものを書いた人たちという印象だったのが、ぐんと人間味を帯びた親近感に変わった章もあれば、夏目漱石の手紙のあるエピローグのように、随分昔に彼の本を読んだ頃のことを思い出させる章もあった。
恋いぶみとして、芥川龍之介、谷崎潤一郎などが書いたラブレターが解説とともに引用されている箇所など、実に興味深い。
親子の手紙のやりとりも紹介されているが、親子といえば、
次男が、父の日学校(去年かな?)で授業でつくった、次男が背広着てネクタイしめた写真に、
「大きくなったら、パパのようになりたい」
と書いた小さなパネル。
お父さんのようになりたい?
嬉しいような、くすぐったいような、大きくなったら ママのようになりたいとは書かなかったことをほめておこう。